今回は、師匠と群馬を訪れた際に立ち寄った、高崎の少林山達磨寺について綴っていきます。

達磨は、禅宗の祖“達磨大師”をかたどった日本の伝統的な縁起物です。
倒れても起き上がる姿から「七転び八起き」の象徴とされ、願いを込めて片目を入れ、成就したらもう一方の目を入れる習慣があります。

縁起だるまの発祥地として知られるのが、群馬県高崎市の少林山達磨寺です。
江戸時代中期に起きた「天明の飢饉」の際、住職が地元の農家を支援するために副業として張り子だるま作りを勧めたのが始まりとされ、ここから「高崎だるま」として全国に広まりました。

寺の両側に並ぶだるまは、願いが叶った人々の奉納だるまであり、感謝と再出発の象徴です。
参道の両脇にずらりと並ぶ姿は、参拝者を見守る守護の意味もあり、努力と再生、そして縁起の調和を表しています。

お寺の中にはギャラリーがあり、全国各地のだるまが紹介されていてとても見応えがありました。
スタジオにも、ここで見られるだるまがいくつか飾ってあるので、ぜひ探してみてください。

少林山達磨寺の鐘は、参拝者が実際に鳴らすことができます。
この鐘には「心を整え、厄を祓う」という意味が込められており、
静かな境内に響く一打はとても心地よく、まるで心が洗われるような感覚でした。

いかがだったでしょうか。
日本人なら誰もが知る達磨。
刺青でも人気のモチーフですが、意味だけでなくその歴史を知ることで見方が大きく変わりました。
縁起物は形や由来を知るほどに魅力が増すもの。
興味がなかったものでも、背景を知るとぐっと惹かれることがあります。
ぜひ皆さんも、縁起物を見かけたときはその由来を調べてみてください。

